★新約聖書　第二テサロニケ人への手紙　２：６〜１２
　　　　あなたがたが知っているとおり、彼がその定められた時に現われるようにと、いま引き
　　　　止めているものがあるのです。　不法の秘密はすでに働いています。しかし今は引き
　　　　止める者があって、自分が取り除かれる時まで引き止めているのです。
　　　　その時になると、不法の人が現われますが、主は御口の息をもって彼を殺し、来臨の
　　　　輝きをもって滅ぼしてしまわれます。
　　　　不法の人の到来は、サタンの働きによるのであって、あらゆる偽りの力、しるし、不思
　　　　議がそれに伴い、また、滅びる人たちに対するあらゆる悪の欺きが行なわれます。なぜ
　　　　なら、彼らは救われるために真理への愛を受け入れなかったからです。
　　　　それゆえ神は、彼らが偽りを信じるように、惑わす力を送り込まれます。
　　　　それは、真理を信じないで、悪を喜んでいたすべての者が、さばかれるためです。

●聖書は神の霊感によって書かれたものなので、聖書を文字通りにだけ読んでいくと、意味が
通じないということの方が多い。　黙示録、エゼキエル書、ダニエル書、・・・。　旧約聖書の歴
史書なども文字通り受け取って学ぶことはできるが、しかし、神の本来、言わんとしておられる
ことは、その裏側にある。　モーセの十戒の神の板にも表と裏に字が書かれていた。

　裏の部分、たとえの部分を理解することが大切なのである。　イエス様は、たとえで多く語ら
れた。　そして、キリストの弟子であるなら、たとえを理解するようにと仰せられた。　たとえを理
解することが、神のいわんとされていること、御心を知ることである。　

終わりの時になると、ダニエル書によるならば、裏の部分（＝たとえ）には、長い間、封印がさ
れていた。　しかし、黙示録によると、その封印は７つの封印となっていたが、解く者が現われ
てくる。　　今の時代、その封印が、正しく求める者には開かれてきていると思われる。　

ただ、クリスチャンには２種類あるが、裏の部分（＝たとえ）は、キリストの弟子にだけ開かれ、
理解され、悟ることができる、と主イエスは仰せられた。　群衆には開かれることはない。　

神の言わんとすること、奥義や御心を理解し、悟るということは、その知らされたみことばが、
その人の信仰を強めたり、その人の上に成就（じょうじゅ）したり・・・という具合に、その人の実
際になったとき、開かれた、理解できた、悟らせてもらったといえるであろう。　

さて、聖書は神の霊感によって書かれているが、主イエスも「わたしがあなたがたに話したこと
ばは、霊であり、またいのちです。」（ヨハネによる福音書６：６３）　と仰せられた。　聖書は、霊
の世界、霊のことについて書かれているのである。　

★新約聖書　ヘブル人への手紙　１３：１４
　　　私たちは、この地上に永遠の都を持っているのではなく、むしろ後に来ようとしている都を
　　　求めているのです。

●我々クリスチャンの目的は、ひとことで言うなら『天の御国（本当の天国）に入ることである。』
そこはこの肉体を持っては入れないことを、誰もがわかっていることであろう。　そしてこの肉体
には限界があることも皆わかっていることであろう。　

さて聖書に書かれているサタン（悪魔）やその手下の悪霊は、人を用いて働きはするが、彼ら
は霊の存在である。　我々人間は、基本的にはサタンには対抗できない。　サタンの力、惑わ
しなどは、相当な知力と巧妙さがあり、我々がそれらを、しっかり見破って、はっきり認識しない
と、イチコロでやられてしまう。　

例えば、旧約聖書に登場してくるヨブは、今で言うなら敬虔なクリスチャンであった。　ところが、
サタンが神の許可を得たとき、あっという間に、ヨブの環境は変わってしまった。　また、１２使
途の筆頭頭（ひっとうがしら）であったペテロは、サタンが「麦のようにふるいにかけることを願っ
て許されたとき（ルカ 22:31）、主とともに死ぬ覚悟があったが、３度も主を否定するようになって
しまった。　ペテロは主のささえ、祈り、主の御手があったから、立ち戻ることができた。　

「不法の秘密はすでに働いています」と書かれているように、教会時代にも、この悪魔の働きは
あるが、その働きには制限が加えられていた。　しかし、＜引き止める者＝聖霊＞が教会から
追い出されるので、「その時になると、不法の人が現われます」のように悪魔の霊が解き放た
れる日が来たなら、多くの教会、クリスチャンは崩されていくであろう。　　

「不法の人」は、原文には「人」ということばは含まれていない。　聖霊と反対の立場の存在の
「悪霊」と考えた方がいいようである。　

聖書には、神のゆるしの下で惑わす力が送り込まれると書かれている。　これは厳粛（げん
しゅく）に受け止めるべきである。　主のあわれみにより、目を開いていただいた者のみ、それ
を見、逃れることができるのである。　　日々、「試みに会わせず、悪より救い出したまえ」と、
心から真剣に、主の祈りをしていきたいものである。

【主の祈り】マタイによる福音書６：９〜１３（新改訳）
　　天にいます私たちの父よ。　　御名があがめられますように。　　御国が来ますように。
　　みこころが天で行なわれるように地でも行なわれますように。
　　私たちの日ごとの糧をきょうもお与えください。
　　私たちの負いめをお赦しください。　　私たちも、私たちに負いめのある人たちを赦しました。
　　私たちを試みに会わせないで、悪からお救いください。
　　国と力と栄えは、とこしえにあなたのものだからです。アーメン。

【主の祈り】プロテスタント文語
　　天にましますわれらの父よ。　　願わくはみ名をあがめさせたまえ。　　み国を来たらせたまえ。
　　み心の天に成るごとく、地にも成させたまえ。
　　われらの日用の糧を今日も与えたまえ。
　　われらに罪を犯す者をわれらがゆるすごとく、われらの罪をもゆるしたまえ。
　　われらを試みに会わせず、悪より救い出したまえ。
　　国と力と栄えとは限りなくなんじのものなればなり。アーメン